幻の月の山『ルウェンゾリ』

幻の月の山『ルウェンゾリ』

今回はアフリカの秘境の山、ルウェンゾリ山を紹介します。

アフリカの山といえば、まずアフリカ最高峰のキリマンジャロを思い浮かべますが、この他にも魅力的な山がたくさんあります。

東アフリカ内陸部、ウガンダとコンゴ国境付近に位置し、アフリカ大陸で3番目に高い山がルウェンゾリ山。標高5109m。山頂付近は赤道直下にもかかわらず氷河を抱いています。

ちなみにアフリカ大陸で氷河が存在している山は、キリマンジャロ、ケニア山、そしてこのルウェンゾリの3山になります。

ルウェンゾリは紀元前150年頃、古代ローマの地理学者プトレマイオスがナイル川源流とした「月の山」であると考えられ、いつも雲に覆われていてその姿をなかなか見せないことから、「幻の月の山」と呼ばれています。

1889年に、この山を最初に目撃したヨーロッパ人となったのがイギリスのスタンリー。
当時「暗黒大陸」と呼ばれていたアフリカ大陸をヨーロッパ人で初めて横断したリヴィングストンが行方不明となった時に、タンザニアのウシジ村で発見したことでも有名な探険家です。スタンリー以前にもこの地域には何人もの探検家が訪れたはずですが、いつも雲に覆われていたために、ルウェンゾリが発見できなかったとされています。

この山は、いつも雲に覆われていることから非常に雨が多く、途中のエレナ小屋まではジャングルと膝まで浸かる湿地帯のトレッキングになり、非常に冒険要素が高い登山となります。

エレナ小屋以降は雪と岩の山岳登攀(とうはん)となり、ヨーロッパアルプスのような壮大な景色の中を歩きます。
氷河上を歩きますが、急な斜面が無いので長い時間のアイゼン歩行経験があれば大丈夫。また、岩の登攀もありますが、固定ロープが張られているので、ゆっくりと登れば槍ヶ岳程度の登山経験があればチャレンジ可能です。思ったより難しい登山技術は要求されません。

アフリカのジャングルにひっそりと聳(そび)える神秘の山。
ジャングル、湿地帯、氷河、岩登りと、冒険と登山の両方の要素が楽しめる山です。

普通の山登りに飽きた方にお勧めの登山です。

URL http://www.adventure-guides.co.jp/kaigai/pac/kaigai_pac_6000.html