カメルーン南東部:ピグミーのお宅訪問

先日、カメルーンのバカ・ピグミーの村にお邪魔しました。

ピグミーはアフリカ中央部の熱帯雨林に住む狩猟採集民です。平均身長が150cm程度なのが特徴的で“森の小人”という呼び方をよく耳にします。

ちょうど夕食の準備中。今日の献立は野生のヤムイモ。「クズウコン」という芭蕉のような葉っぱでイモを包んでいます。バナナの房で葉っぱを押さえているところがユニーク。集めてきた沢蟹と小魚がおかずです。

この「クズウコン」の葉っぱは彼らの住居にもなります。狩猟採集をしながら移動生活をする彼らの住まいは「家」というより「テント」です。枝を曲げてテン トの骨組みを作り、その上にクズウコンの葉を重ねます。それだけ。うまく作ってあるものは雨も漏れず、クズウコンの葉の防虫作用により熱帯雨林のおびただ しい虫に悩まされることもありません。葉っぱを雨具にしたり、ウチワにしたり、包み紙にしたり、用途に限りはありません。葉はどこにでもあるので全て使い 捨て。引っ越しのときに持ち歩く家具といえば鍋くらいのものでしょうか。森に住むゴリラたちもこの葉っぱを集めて毎日寝床をこしらえます。

学術的にも謎の多いピグミーの世界。森に生きる知恵は失われていく傾向にあると言われますが、その魅力はまだまだ健在です。