イタリアの不思議なだまし絵

ローマにある、おもしろい教会を紹介します。
パンテオンから細い道を歩いてすぐ、小さな広場に面した『サンティニャーツィオ・ディ・ロヲラ教会』。

中に入って上を見上げてびっくり。入口付近にいるときは微妙に歪んだ天井画ですが、
教会中心まで進み、床に埋められた円盤を目印に見上げると、歪んでいた絵の焦点がピタリと一致します。

この教会の天井画は、歪曲画「アナモルフォーシス」によって描かれています。
※アナモルフォーシスとは(フランス)絵画で、歪んだ画像。また、その画法。斜めから見たり、円筒形の鏡面などに写すと、もとの形が分かるようになっている。
ホルバイン(子)の「大使たち」(1533 年)の床部分に描きこまれた頭蓋骨が有名。

天井画のテーマは『4大陸の寓意』「Europa」「Asia」「Africa」「America」
当時の4大陸のイメージ像、女性の擬人像が描かれています。

さらにおもしろいのは、教会奥の「偽クーポラ」。
※クーポラとは教会建築などにみられる、半球形につくられた天井

なにが偽なのか、というと、まるで光が差し込んでいるように見える丸屋根は、
実は絵で表現しているだけで丸屋根になっていません。
一説によると、教会建設中に資金がなくなり、未完成のままだったのを歪曲画で表現したそうです。

イタリアへ行く度に新しい発見をしたいですね。

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