アラブ時代のイスラム寺院が教会に!?『サン・ジョヴァンニ・デッリ・エレミティ教会』

アラブ時代のイスラム寺院が教会に!?『サン・ジョヴァンニ・デッリ・エレミティ教会』

シチリア島の州都、パレルモにある「サン・ジョヴァンニ・デッリ・エレミティ教会」は、ちょっと不思議な雰囲気漂う教会です。
教会なのに、5つの赤いドーム屋根を持ち、ヤシの木が生い茂る南国的な中庭もあります。
実は、もともとアラブ時代のモスクだったものを、一部残して改築した教会なのです。
この異国情緒あふれる建物には、シチリアの歴史が深く関係しています。
地中海の真ん中に浮かぶシチリア島は、その地理的条件と豊かな産物に恵まれ様々な民族に侵略され続けた島でした。
ギリシャ、ローマ、アラブ、イスラム、ノルマン、スペインなど多くの民族が島の争奪戦をするたびに、それぞれの文化がシチリア島を通過することになりました。

シチリア島に今なお残る、多様な文化が共存し合うコスモポリタンな雰囲気は、支配が繰り返される中で、異文化に偏見を持たず、宗教的にも寛容だったからこそ作り上げることができた世界なのです。

壊すのではなく、一部を残し重ねる構造で、流入してきた異文化を尊重する。
グローバルな今の時代だからこそ、シチリア島のような偏見なく文化を受け入れ結びつける交流が必要だと感じます。

イタリアン地中海センターのホームページ
http://www.italiancenter.co.jp/

Google Map