ロシアのイースター 「パスハ」

ロシアのイースター 「パスハ」

今日はロシアのイースター 「パスハ」についてご紹介します。

皆さんは、「パスハ」という言葉を聞いたことがありますか?
「イースター」であれば、ご存じの方も多いかもしれません。
「パスハ」はロシアで最も多く信仰されている(ロシア)正教のイースターのことを指します。

パスハは年によってその日付が変わりますが、「春分の後の満月の次の日曜日(主日)」と決められており今年は4月12日がパスハとなりました。

パスハのための準備は木曜日から始まります。
まずは家のすみずみまできれいにし、身の回りを清めます。自身もお風呂に入ったりします。
それが終わると、玉ねぎの皮などを使って卵に彩色をほどこします。卵は命の象徴とされ、パスハには欠かせないものです。

金曜日には円筒形のケーキ「クリーチ」やピラミッド型のケーキ「パスハ」を作り、土曜日はその作ったクリーチとパスハを教会に持っていき、聖水をかけてもらいます。

そして当日の日曜日には、真夜中に教会に行き、ミサに参加します。
パスハのミサは午前3時頃に終了し、最後に司祭が「ハリストス(=正教におけるキリスト)復活!」と宣言し信者は「実に復活!」と応じます。その後十字行(教会の外で十字架を掲げ、聖歌を歌いながら行進すること)が行われます。

家に戻るとテーブルの上には教会で清めてもらったクリーチやパスハ、そして数多くのごちそうが並べられ、盛大な宴会が行われます。
信仰深い信者は、パスハの前の40日間は砂糖、肉、乳製品を食べるのを控えているのでこの日からまた普段の食生活に戻れる、喜ばしい日でもあります。

「パスハって平日から準備をしないといけないの?大変!」と思われる方も多いでしょう。
もちろん、すべての人が平日から準備をする訳ではありません。

共働き世帯など、忙しくて準備に時間が取れない人達のために街中では卵に貼るためのカラフルなシールやクリーチが売られています。

またそういう人達は、教会も真夜中ではなく午前中に行ったりします。
かつてパスハの時期にモスクワに行った時、普段よりずっと多くの家族連れを見かけました。

パスハは宗教的な意味だけではなく、一緒に教会に行ったり一つのテーブルを囲んで食事をしたり家族とのつながりを大切にする日にもなっています。