社会主義と伝統文化を肌で感じる・北朝鮮への旅

社会主義と伝統文化を肌で感じる・北朝鮮への旅

弊社が主に取り扱っている韓国は1945年以来、南北に分断された国家の南側を統治している国です。北側を統治しているのは北朝鮮、朝鮮(チョソン)民主主義人民共和国です。長いこと鎖国を国是として観光客の受け入れには消極的でしたが、近年改善する兆しを見せています。今回はもう一つのコリア・北朝鮮について代表的な観光地・平壌(ピョンヤン)と開城(ケソン)を中心にお話致します。

北朝鮮は面積12万平方キロ、人口2,500万弱で日本と比べると面積で3分の1、人口で5分の1の規模になります。夏は過ごしやすいですが、冬の寒さはきびしく国土の大部分が連日真冬日となります。ただし雪はあまり降りません。現在も数少ない社会主義体制の国家で経済活動は直接、間接を問わず何らかの形で国営により運営されています。しかし、長い歴史を持つゆえ、興味深い観光地が数多くあります。

まず平壌ですが、この首都として社会主義のショーウィンドーとしての役割を担う都市です。歴代指導者であった金日成(キム・イルソン)、金正日(キム・ジョンイル)両氏の遺体が安置されている錦繍山(クムスサン)太陽宮殿、両氏の銅像、軍事パレードなどの行事が行われる金日成広場、北朝鮮型社会主義理念を記念した主体思想塔、1945年に金日成氏が朝鮮に凱旋したことを記念する凱旋門、社会主義建設の象徴である千里馬銅像をはじめ両氏を称える建造物、社会主義を称えるスローガン、その他の建造物もネオスターリン様式で建てられていて、かつて共産圏の国々で見られた光景がここでは見られます。

一方、開城は千年前に建国され約400年間続いた高麗王朝の首都として、その後の朝鮮王朝でも商都・松都(ソンド)として確固たる歴史と伝統が根付いた都市です。高麗時代の最盛期には外国との貿易も盛んにおこなわれました。韓国・朝鮮を表すKoreaという国名はこの頃伝わったとされています。見所は高麗時代の最高学府・成均館(ソンギュングァン)、朝鮮王朝の始祖・李成桂(イ・ソンゲ)の五男・李芳遠(イ・バンウォン)[後の朝鮮3代国王・太宗]が外交使節団の一員として来日経験のある高麗の家臣・鄭夢周(チョン・モンジュ)を暗殺した善竹橋(ソンチュッキョ)など数多くあります。歴史好きには何時間居ても飽きないでしょう。また、朝鮮時代の古い街並みも残っており、伝統家屋を利用した宿泊施設もあります。

他に東海岸の元山(ウォンサン)や女真族、後の満州族が長く統治していた咸興(ハムン)などの見学地があります。

2015年2月現在、エボラ出血熱の感染を防ぐ名目で外国人観光客の入国が禁止されており、また日本と北朝鮮の間には懸案事項もあり、旅行を躊躇される方も多いと思います。しかし、現地の実情を知り、また現地にこちらの実情を知ってもらう事も重要かと存じます。少しでも興味がございましたら、いつの日か訪ねてみては如何でしょうか。