プロの技にもいつか引退の時期が・・・

私たち「旅の専門店連合会」は言わば旅行会社の職人集団だが、今日は弊社(ワイバード)における職人技「バードガイド」の生態についてご紹介したい。

6月19日~22日、まもなく還暦を迎える弊社ガイドの引退記念ツアーが行なわれた。まだまだ見た目は元気な彼。だが本人曰く、聴力、視力、そして記憶力 共に衰え、プロとして続ける気力が失せたとの事。創業時より10年もお世話になった先輩ではあるが、私情を交える事は許されないのだ。
写真の鳥は「ガマ グチヨタカ」。夜間、大きな口を開けて飛びながら餌を捕る事からその名がついたのだが、昼間は木の枝に貼りついて擬態を行ない全く動かない。こんな鳥をも 遠くから望遠鏡で捉えてお客様にお見せするのがプロのバードガイドだ。また、例えお客様の話し声が大きくとも、バスのエンジン音が邪魔になっても、見つけ たい鳥の囀りは聞き逃さず、その方向をもとにその主を素早く探す。又、頭上を一瞬飛んだ鳥の名前もすぐにお客様にお伝えしなければならない。そう、バード ガイドにとって視力、聴力、記憶力は命なのである。
もちろん経験をもとに定年後にボランティアとして鳥の案内をなさっておられる方もおられ、それはそれで立派な事だ。だが、高額な旅行費用を頂いて鳥を見て頂く私たちのツアーがボランティアレベルであってはならない。
プロのバードガイドの旬は短い。20代ではサービス業としては半人前、30代でようやく独り立ち、40代が最も充実、50代は体に鞭打ちながら後進への指導となる。そんな彼らが我が社の財産である事は言うまでもない。