タイの「調味料」

タイ料理が4つの味からできているのをご存知でしょうか?
タイ料理屋さんに行ったことがある方なら一度は見たことがあるかと思うのですが、ヒントはタイの食卓の上にあります。

タイでは、屋台でも街中のレストランでも、どこのテーブルの上にも調味料があり、4つの味:(1)塩味の「ナンプラー」、(2)甘みの「砂糖」、(3)酸味の「酢」、(4)辛さの「唐辛子」が1セットに用意されていて、自分の好きな味にカスタマイズして食べるのがタイ流食事の楽しみ方です。
中でも、タイ料理でかかせないのが「ナンプラー」。塩の代用品として、非常にたくさんのタイ料理で使用されています。

ナンプラーは直訳すると「魚の水」で、タイの魚醤(ぎょしょう)。
その作り方は、カタクチイワシを塩漬けにして約1年間発酵させ、上澄みを熟成させます。魚をまるごと塩漬けにするため、内臓に含まれる酵素がたんぱく質を分解し、アミノ酸などのうまみをつくり出します。熟成すると赤褐色になり、独特の香りと濃厚なうま味が魅力で、タイ料理の味の決め手になっています。

魚醤は世界最古の調味料として古代ローマ時代から存在し、その名残として、ヨーロッパではカタクチイワシを塩漬けにして熟成発酵させたアンチョビペーストが使われているといわれています。現代では、東南アジアで魚醤は欠かせない調味料となっており、タイの他、ベトナム「ニョクマム」やカンボジア「トゥック・トレイ」、ラオス「ナムパー」やミャンマー「ンガピャーイェー」としてよく使われます。南国では食事の中できちんと塩分補給できるよう、今でも活用されているのかもしれませんね。

ナンプラーは、食卓での仕上げにはもちろん、お料理で素材の下味につかったり、唐辛子やスライスしたライムを加えてつけダレにしたり、タイ料理では多彩に活用されています。
是非うまみたっぷりの発酵調味料を、タイ料理で味わってみて下さい。