ネパールトレッキングの魅力

風の旅行社は1990年にネパールで産声を上げて以来、信頼できる現地支店と共に、こだわりの旅を作り続けています。それゆえネパールに対する思いは深く、スタッフがプライベートで訪れることも少なくありません。今回は、そんなネパール好きなスタッフが休暇で訪れた、ネパールトレッキングの魅力が凝縮されたような旅の土産話をご紹介したいと思います。

こんにちは、平山です。先月末、遅い夏休みをいただき、ネパールのランタン地方へ行ってきました。 この地方はネパールのトレッキング3大エリアのひとつでありながら訪れるトレッカーが少ないため、本当に静かで、実に素朴な”山の暮らし”を垣間見ながら歩くことができるのが大きな魅力です。

ネパールのトレッキングというと、ヒマラヤの高峰を目指して寒さやつらさに耐えながら登るというイメージを持たれている方も多いと思いますが、実はそればかりではありません。日本の登山とはちがい、ネパールで歩く道は今でも普通に人々が行き交う生活路なのです。
どのルートでも、歩行1時間程度の頻度で「山村」があり、畑作、家畜の飼育、交易などをしながら、車も通れない山の中で暮らす人々の姿があります。雄大なヒマラヤの景色と、その麓で営まれる暮らしに触れながら村々を訪ね歩く、というところがネパールトレッキングの醍醐味。
しかも、そういった山村にある家のひとつが食事と宿泊を提供するロッジとなっており、トレッキング中そこに泊まることで村の様子や人々の生活に近づくことができます。中でもランタンルートのロッジは小規模なところが多く、アットホームな雰囲気が流れ、まるでホームステイをしているかのような錯覚に陥るほど居心地の良いロッジばかりです。

今回、往路で立ち寄った一軒のロッジが気に入り、同行してくれた風のネパール支店ガイド・ディルの提案で、復路で宿泊をすることになったわけですが。そこで彼が何を目論んでいたかというと、一羽の丸々と太ったニワトリの命を頂戴して、ロッジのキッチンをお借り(乗っ取り?)してチキンカリーのダルバートを Let’s Cooking!
最後はロッジのオーナー夫妻も巻き込んで、地酒のロキシー(という蒸留酒)で祝杯! ・・・いやはや、予期せずしてトレッキング中の一番思い出深い夜になったのでした。

ディルの話で印象的だったことがあります。「せっかくなら、できるだけネパールを楽しんでほしいし、やってみたいと思うことはできる限り体験をしてほしい。ネパールの魅力をたくさんの人に知ってもらえたらうれしい」。
肩書きは”トレッキングガイド”ながら、私たちにとってはその国の魅力を教えてくれる案内人。時にはその地に暮らす人々との出会いを作り出してくれる通訳であり、また、時には一緒に旅を楽しむ旅仲間にもなってくれる彼らを頼もしく思い、あらためて感謝した瞬間でした。

もちろん、「世界で最も美しい谷」と称されるランタン谷は、手に届きそうなほど目の前で望める6,000〜7,000m級の山々の眺望が広がり、ヒマラヤにふりそそぐ満天の天の川、まるで屋久島を思わせる苔むした気持ちのよい森、タルチョ(祈祷旗)はためくピークと氷河展望など、 目にする景色すべてが美しくて、山で過ごした6日間は、毎日が感動の連続でした。
しかしながら、景色はもとより、何より山村に暮らす人々の素敵な笑顔と楽しい旅仲間たちと歩いた時間が、私にとっては印象的な思い出です。おそらく、パンフレットにも、日程表に書かれない、数々の予期せぬ出会いや感動があるから、何度でもネパールに足を運びたくなってしまうのかもしれません。

ネパールにハマってしまった弊社スタッフがみんな口をそろえておススメする、なんとも懐が深〜いランタン谷。ぜひ一度足を踏み入れてみませんか?