ミャンマー:少数民族の住む山村チャイントンへの旅

先日、ミャンマー東部に位置し、シャン州でもっとも風光明媚な地とされる国境の町チャイントン(標高800メートル)を旅してきました。ミャンマーという と、一般にパゴダ観光のイメージがありますが、チャイントンは通常のミャンマー観光とは違った楽しみ方ができるところです。
その魅力は、緑豊かな山村で美しい自然とともに昔ながらの暮らしを続ける人々の姿にあります。チャイントンの町の周辺には40近くの集落があり、アカ族、シャン族、ラフ族、パラウン族、ワ族、アク族、エン族など独自の文化を持つおよそ20の少数民族が生活しています。トレッキングを楽しみながら、そうした村々のうちのいくつかにお邪魔させていただきました。

たとえばホーラン村では、日本でいう「お歯黒」の習慣があるエン族の人々と出会いました。年配の女性の中には歯の真っ黒な女性もいます。エン族は黒い色の 洋服を好み、おしゃれの点から歯も黒くします。黒くするのは、自分たちと動物を見分けるためという理由もあるそうです。
エン族の女性は本当におしゃれが好きで、突然訪問したにもかかわらず、自分たちの衣装を貸して着させてくれました。数人の女性に囲まれてあっという間に着 付けも完了です。その間も「これはどう?」「この子にはこっちのほうが似合うわよ!」とキャッキャッしながら相談をしています。日本の若い女性とも気が合 いそうですね。
観光客向けに伝統衣装を身に着ける少数民族は、いろいろな場所で見かけてきましたが、普段の生活の中でそれぞれの民族衣装をまとい、自分たちの言語で会話 をし、自給自足的な生活をしている民族の村々を訪問して感じたのは、「観光」というよりたくさん家庭訪問をしたような感覚です。

それぞれの集落で家の中に上がらせてもらい、お話をしながらお茶や果物をいただいたり、子どもたちと遊んだり、衣装を着させてもらったりと、パゴダ観光だけのミャンマーの旅では体験できないおもしろさがありました。

弊社はインドシナ諸国(ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー)とスタディーツアーを専門とする旅行会社。今後も、今まであまり知られていなかったインドシナの国々のさまざまな魅力を専門店ならではの切り口でお伝えしていきますので、お楽しみに!