麗水EXPO

麗水EXPO

韓国の最南端に麗水(ヨス)という港町があります。写真は突山(トルサン)大橋と言い、麗水のシンボルです。麗水は朝鮮半島の底の部分の真中にあり、周辺はリアス式海岸で本土側の小さな半島と沖合の島々からなっています。見晴らしの良い高台に登ると海の中に島が点々としていて、とても風光明媚な所です。ここで5月12日(土)から8月12日(日)までの3ヶ月間、韓国では2回目となる世界博覧会(EXPO)が開催されます。今回はEXPOと開催される麗水について書きたいと思います。

麗水EXPOは正式名を2012麗水世界博覧会と言い、麗水新港の使わなくなった鉄道跡地を会場としています。テーマは「生きている海、息づく沿岸」で近年の海洋汚染や海洋生態系の破壊、地球温暖化による海面上昇など特定の国だけでなく人類の共通の課題として会場内のテーマ館や開催期間内に行われる公演、イベントを通じて表現していきます。

会場はメインのテーマ館や開催国の韓国館、日本をはじめとする出展国の入った国際館、ユニークなものとしてセメント用のサイロを利用したスカイタワー、漁業体験場等があります。

さて、EXPOの開かれる麗水は人口約30万人の全羅南道(チョルラ・ナムド)に所属する市で、古代・百済時代からある古い街です。

李氏朝鮮時代には水軍司令部が置かれたこともあり、豊臣秀吉の朝鮮出兵時には日本軍を撃退した李舜臣(イ・スンシン)も司令官として赴任しました。秀吉の死によって日本軍の撤退が決まると麗水の北、順天(スンチョン)にいた小西行長も撤退を始めましたが、朝鮮・明(中国)の連合軍がそれを阻止しようと陣を構えたのもこの近海です。その後、島津義弘らの援軍によって麗水の東の海域で文禄・慶長の役、最後の大きな戦闘が繰り広げられました。この戦いで李舜臣は戦死してしまいます。李舜臣ゆかりの史跡は麗水だけでなく彼が生涯をかけて歩いた韓国各地に残っています。

麗水は韓国を代表する観光地です。市内では李舜臣ゆかりの鎮南館(チンナムグァン)、島全体が椿で覆われている梧桐島(オドンド)、写真の撮影場所であり突山大橋から麗水旧港までを見渡せる突山公園などがあります。少し足を延ばせば突山島の南端に向日庵(ヒャンイラム)という海に面し絶壁に立つ寺があります。日の出、日の入り景色がとても美しい所です。

また料理の旨い所としても有名です。特に近海で獲れた海産物を使った料理が多く、鱧(はも)料理、ヒラメを使った海鮮ビビンバ、この地方で獲れる石蟹のケジャン(蟹の醤油漬け)など料理を目当てにここを訪れる人もたくさんいる位です。

日本からの直行便のあるソウルや釜山からは遠いので訪れる日本人は少ないですが、EXPO開催期間中は九州・福岡港と麗水港の間でJR九州の高速船・ビートルが不定期ですが、運航されます。また、5月に1便、6月に2便、韓国発の本格クルーズ「ハーモニークルーズ」が大阪港・神戸港と麗水港に寄港します。クルーズ船による何時もとは違う韓国の旅もお楽しみ頂けます。

これをきっかけに自然が豊かで海の幸・山の幸多き地方都市・麗水を旅して見てはいかがでしょうか。

2012麗水世界博覧会ホームページ
http://jpn.expo2012.kr/main.html

三進トラベルのホームページ
http://www.sanshin-travel.com/