みなさん、はじめまして。
「マレーシア文化通信WAU」でマレーシア映画のご紹介をしております、映画プロデューサーの高塚と申します。
マレーシアの映画は、正直、日本で商業公開されたものがほとんどなく、日本では馴染みが薄いかもしれません。
でも、この3月25日から渋谷イメージフォーラムで公開されるヤスミン・アフマド監督の「タレンタイム」は、比較的、知名度があるのではないでしょうか。ぜひ、この機会にご欄になってみてください。
http://www.moviola.jp/talentime/
さて、今回ご紹介する逸話は、ヤスミン監督の作品ではタレンタイムと同じくらい著名な「細い目(Sepet)」などで、ヒロインのオーキッド役として人気のシャリファ・アマニさんが、私のプロデュースした日本とマレーシアの共同製作「クアラルンプールの夜明け」(細井尊人監督作品)に出演してくださった時の話を少ししたいと思います。
シャリファ・アマニさんは、ヤスミン監督に見出されたミューズとも言われており、ヤスミン監督の作品でマレーシア映画際の主演女優賞を最年少の20歳で獲得したマレーシア国内でも人気のある女優さんです。
「クアラルンプールの夜明け」は、2011年、クアラルプールの郊外で撮影しました。日本人監督と主演の俳優以外はスタッフ、キャストともにすべてマレーシア人で行ないました。
多分そんなケースはその当時は初めてだったと思います。
マレーシア人スタッフのおおらかさには本当に救われるやら、やきもきさせられるやらの毎日でした。
とにかく、彼らは、朝は定時に集まりませんし、どんなに撮影が押していても絶対にきっちりお昼ごはんを取ります。
このクライマックスシーンの池などは、撮影当日の朝まで場所が決まっていないとう状況でした。
低予算作品ですから、美術も手作り。このプラスチックコップも実は私が一個一個切ったものです。
全部で100個以上あり、どうして撮影当日に私がこんなことを・・プロデューサーとしては胃がキリキリする状況でしたが、当のスタッフは、「まあまあ、これでも飲んで楽しくやろうよ」と差し出してきたのがこのココナッツジュース。一気に気が抜けて大笑いしたのを覚えています。
そしてこれがいよいよクライマックスシーンの直前。
なんとか間に合っています。
ゆるゆるしているようですが、彼らは辻褄を合わせる能力が高い!臨機応変、機転が利くのです。そしてとてもおおらかで明るい。これが、私がマレーシアを好きな最たる理由です。
シャリファ・アマニさんと劇中の彼女の息子役です。暗いので特別に掲載してしまいます。
この作品は、2015年のシネマート六本木の閉館企画「マレーシア映画ウィーク」などで上映させていただきました。
http://odd-pictures.asia/mfw/
今後、もしご要望がありましたら、映画製作の面白秘話のトーク付きでイベント上映でもしたいな〜と考えているところです。
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株式会社 ODD PICTURES 代表取締役プロデューサー
高塚利恵
http://odd-pictures.asia/RN/
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